先日の消化器内科受診の時。
S先生に聞いてみる。
「新薬のシメプレビルどんな感じですか?」
「ん~耐性がね・・」
「耐性か・・」
「まぁチエさんの場合は、インターフェロンでアウトだけどね」
「まぁそうですね」
主治医S先生の担当されている
60代前半女性の患者さんのお話。
ペグインターフェロンとリパピリン2剤併用療法での再燃(再発)のケース
ペグインターフェロンとリパピリン
プロテーゼ阻害剤シメプレビルの3剤併用療法を行うも、
2ヶ月が経つくらいからウイルス量が減らなくなったそうです。
シメプレビルが効かなかった場合の多くは、
ウイルス側が耐性を持ったと考えられます。
そのため、他の第二世代プロテアーゼ阻害薬にも交差耐性を持ちます。
今後、C型肝炎の治療はめまぐるしく変わります。
その中の一つとして、
インターフェロンフリー(インターフェロンを使用しない)治療です。
アスナプレビル(第二世代プロテアーゼ阻害薬)と
ダクラタスビル(NS5A阻害薬)の2剤による、飲み薬だけの治療です。
インターフェロンの副作用が顕著だった方や
無効の方からも期待の大きな治療薬です。
しかし先ほど述べましたようにシメプレビルで治療がうまくいかなかった場合、
交差耐性により同じ第二世代プロテアーゼ阻害薬であるアスナプレビルが使えなくなり、
アスナ+ダクラの2剤療法の恩恵にあずかれない可能性があります。
第二世代プロテアーゼ阻害薬に交差耐性がない患者さんは
アスナ/ダクラが出るまで治療を待つことも選択肢にありますが、
ダクラタスビル耐性ウイルス(NS5A蛋白93番アミノ酸変異)は未治療の方でも、
耐性が存在することがあります。
その場合アスナ/ダクラで失敗する可能性があり、
それにより第二世代プロテアーゼ阻害薬(例えばシメプレビル)の
交差耐性まで出現してしまうことがあり、
その後の組み合わせにプロテアーゼ阻害薬を使用できなくなり、
治療の選択肢が狭められます。
そうすると、耐性の少ないソフォスブビル(NS5Bに対する核酸アナログ)
などの抗ウイルス薬が市販されるまで待つ必要が出てきます。
これからのC型肝炎治療は、
薬剤耐性を十分に考慮して治療を進める必要がある一方で、
C型肝炎の進行による肝の繊維化、高齢などで肝臓の状態や
自身の状況も刻刻と変化し、治療できるタイミングを逃す場合もあります。
今後のC型肝炎治療は、病状と治療効果、副作用、
薬剤耐性の有無、IL28B遺伝子多型などを総合的に踏まえて、
患者さんごとに、実施時期や治療方針を決定していくことが必要になってきます。
そのためにも、日頃より主治医と話をすることは大事だと思います
治療のことはもちろん、自身のライフプランなどがあれば、
そのことも話してみてください。
お互い人間ですから、話をすることでコミュニケーションも取れますし、
患者さんがどう生きたいかということ、話さなければドクターには分かりません
上記しましたように、C型肝炎の治療は個々の患者にとって
戦略的な治療が必要になってきます。
戦略的な治療とは、どう治療するかだけではなく、
どう生きたいかも大事な要因になってきます。
私のことになりますが
再生不良性貧血のために治療の制約があること、
現在の肝臓の状態や肝機能数値などの現状。
それと、「年に1ヶ月くらいはハワイに帰りたい」
「いずれはハワイに住みたい」
との要望を主治医S先生には前々から話しています。
それも踏まえての現時点での選択は、
インターフェロンフリー治療。
副作用などの身体への負担を出来る限りかけない
治療の可能性は失うことより、いざというタイミングの時のために残す
短期決戦の治療(再生不良性貧血の増悪が予想されるので)
飲み薬(通院の負担が減)だけで出来る治療
などを優先した結果です。
インターフェロンフリー治療薬は年内にも承認される見通し。
先日も主治医S先生に確認。
「インターフェロンフリーの2薬の承認って年内ですよね 」
「ん~年内か来年だね」
「え?今の時点で来年とかの話がもう出てるんですか?」
「まぁね」
「早くしてほしいのに・・・何でですか?」
「それは製薬会社の利権とかでしょ~?」
「患者のこと一番に考えてくださいよ 」
「私に言っても仕方ないでしょ」
たしかに・・・
どうか新薬が承認されるまでウルソと垂盆草で
肝臓が大人しくしてくれてますように。
今後もC型肝炎治療のことが分かりましたら、ご紹介していきます。
自分や皆さんの判断材料の一つになればと思います。
※追記2014年12月25から
ダクルインザ錠とスンペプラカプセルの
新たな飲み薬治療を始めました。
その結果、わたしの高ウイルス量が治療の効果で
検出されなくなりました。
C型肝炎ウイルス量の変化
よろしければご覧ください。
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