C型肝炎の新薬治療をはじめる前の薬剤耐性と遺伝子検査

説明する女性

今日はちょっと難しい薬剤耐性のお話です。
理解不十分な点もあると思いますので
ご指摘いただければ嬉しいです。

私の場合は主治医と話し合った結果、
インターフェロンフリーの新薬の発売が行われるのを機会に、
薬剤効果と薬剤耐性を十分に考慮し治療計画をするために
薬剤耐性検査をする予定です。

2011年3月にペグインターフェロン治療を行い、
重篤な副作用(貧血の増悪、血小板の激減)で10回で強制終了。

血小板が1万、ヘモグロビンは3.5とかになり・・・
あの時、周りの人間は死を覚悟してたらしいです。

C型肝炎の新薬治療と遺伝子検査

その後、ウルソ錠服用でどうにか肝機能数値は安定。
ある日の診断時、主治医S先生と
今後の治療方針を話し合ってる時に、
遺伝子検査の事を知るのです。

主治医S先生:「今はとりあえず、ウルソで数値は落ち着いたけど、
C型肝炎ウィルスがなくなったわけじゃないから、
いつまでウルソが効いてくれるか分からないし、
肝の線維化が進んじゃうとね…治療出来なくなるし…」
淡々と仰る。

私:「じゃあインターフェロン治療に再チャレンジします」

「それは無理でしょ?死んじゃうよ?」

「なら新薬が出るまで頑張って生きます」

「だよね~でも今度治療する時は事前に遺伝子検査した方がいいね」

「それ何ですか? 」

ここで遺伝子検査の説明を受ける。

「せっかく頑張ってやっても、
遺伝子的に合わない薬だったら非効率的だからね」

「何で今回、インターフェロンやる前に教えてくれなかったんですか? 」
心の中で叫んだ。

「まぁうちの患者さんには、インターフェロン開始して様子みて、
いまいちウィルス量減らなかったり、副作用が酷い時には、
遺伝子検査進めて、無理してもやるべきかどうか?
判断材料にしますけど、
あなたの場合は判断するというレベルではなかったからね」

本当に叫ばなくて良かった

「では、今後のために検査しようかな?新薬の事もあるし」

「ん~あなたの場合は、今やらなくても良いんじゃないんですか?」

「なんで? 」

「今調べたとこで、インターフェロンやリパビリンの併用も避けられなければ、
治療できないわけですからね。」

「まぁそうですけど…いつかやるなら今でも…」

「性格からして、選択肢が減ると考えるより、
選択肢が増えると考えた方が良いのでは?」

「まぁそうですけど」

「ウルソ錠で落ち着いてるし、今慌ててやらなくてもね~。
それでもやりたければ、いつでも病院を紹介しますよ!
たしか2~3万で検査できますよ」

これが2011年10月のこと。
この後、11月にプロテアーゼ阻害剤が承認されたわけですが、
子宮内膜症の再発治療のためのスプレキュア剤で再生不良性貧血が増悪・・・
再び輸血依存症になったりで、遺伝子検査どころではなくなりました。

その後のS先生との話し合いで
冒頭でお話したように
インターフェロンフリーの新薬の認証が行われ発売されるのを機会に
薬剤耐性検査を行う予定でいます。

C型肝炎インターフェロンフリー新薬治療をはじめる前の薬剤耐性

 ではここで薬剤耐性の基本のお話です。

耐性とは生物が持つ抵抗力。
薬剤耐性とは、治療に使われる薬剤が効かなくなるという事です。

薬剤耐性は薬で出来てしまう場合
(細菌の性質が変化して薬剤が効かなくなる)

自分の体に初めからある場合
(細菌の構造からもともと自身の体で薬剤が効かない場合)
の2種類があります。

 薬で出来てしまう薬剤耐性について

同じ薬を繰り返し使うことによって、
細菌やウイルス、がん細胞などが、
その薬に耐える(抵抗する)力を持つことです。

ウィルスも殺されたくないので、
形を変えることで生き残ろうとします(遺伝子変異)。

これを耐性変異といいます。
その結果、薬の効果が得られなくなるため、
量を増やしたり別の薬に切り替えたりする必要が生じます。

インフルエンザでも問題になる薬害耐性。
特定の型の薬に対して耐性が発生し、
その薬が効かなくなることになります。

インターフェロンは直接的にウイルスを攻撃する訳ではないので
耐性の恐れはないと言われています。

一方で、テラプレビルシメプレピルなど、
酵素の1つであるプロテアーゼを阻害することで、
HCV(C型肝炎ウィルス)の寄生と増殖を抑制し
直接的にウィルスを攻撃する抗ウィルス剤は、
薬剤耐性を十分に考慮して治療を進める必要があります。

これら新薬はC型肝炎ウイルスが増殖する際に
重要な役割をもつ蛋白質の合成を阻害することで
ウイルス自体を直接的に攻撃するもので、
非常に効果が高い治療方法になります。

しかし、ウイルス側がこのプロテーゼ阻害剤への耐性をもつと、
いきなりこの薬が効かなくなります。

なので、効率よく確実にC型肝炎の治療をする上で、
この薬剤耐性の問題は治療を開始する前に十分に考慮する必要があります。

自分の体に初めからある場合

細菌の構造からもともと自身の体で薬剤が効かない場合です。
初めからあるかどうかを調べるには遺伝子レベルの検査が必要になります。
検査ができる病院が限られますし、検査代金も高価になります。

2014年内の承認が予想される
インターフェロンフリーの経口2剤併用療法使用薬剤の1つはNS5A阻害薬です。

ところが、過去に投与されていないにもかかわらず、
日本人の1割以上がこの薬剤に対する耐性変異を
持っていることが既に分かっています。

予定通りなら年内に
私は薬剤体制検査を受ける予定です。
どんな結果がでるのかな・・

 

※追記
2014年12月に初のインターフェロンフリー新薬
ダクルインザとスンペプラ薬剤耐性検査の結果がでました

2014年12月25日から初のインターフェロンフリー新薬
ダグルインザとスンペプラ飲み薬治療を開始しました

 

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