30章|C型肝炎治療と震災後の不調

東日本大震災から1ヶ月 4月11日(月)

日増しに首から肩、背中までの痛みが増す。
最近では手足の血管痛や頭痛も酷い。

今朝の回診でS先生と話し、
念のために形成外科を受診することになる。

レントゲンを撮り診察をうける。
先生はレントゲンを見ながら、
「ストレートネックですね。それ以外に特に異常はないです」

え?・・・ストレートネック?
それ自体が異常なんだよね?

私がよほど、「??」な顔をしてたのか、
先生は、「普通は首の骨はS字になってるんだけど、
ストレートネック患者さんの場合は真っ直ぐなんです。
だからどうしても負担がかかるから肩こりとかなりやすいんだけど、
あんまり心配しなくて大丈夫です」と説明してくれた。

「どんな治療がありますか?」の問に先生は、
「湿布か、痛みが酷ければ痛み止め出しますよ」

「ではいつ治るのか?」の問には、
「何らかの衝撃で神経にさわり痛みが出た場合は、
だいたい2ヶ月くらいで落ちつくことが多いんですがね…」
と断言はできない様子。

「痛み止めは胃をあらすとS先生が脅すんです」と話すと、
先生は苦笑しながら、
「なら胃に負担の少ない薬を出すようにS先生に相談しますよ」
と言ってくれたので、お願いする。

ちなみに湿布は冷湿布と音楽湿布の薬の成分は一緒なので、
そのとき自分が気持ち良いと思う方で良いそうです。
私は冷湿布お願いする。
とりあえず形成外科的には心配しないで良いということで安心。

東日本大震災から1ヶ月
多くの犠牲者の皆さんのご冥福を深くお祈り申し上げます。
14時46分、院内放送があり、
皆で黙祷を捧げる。

 

身体の変調 4月12日(火)

朝の採血。
採血室に向かうのに、無意識にエレベーターを使ってる私。

そういえば…血管痛や頭痛を感じて身体の痛みが酷くなってから、
ウォーキング休んじゃってる。。。

身体の異変はお風呂の時にハッキリした。

「うそ~!」
シャンプーしようとしたその時、思わず声にでる。
腕が上がらない。シャンプーできない。。。

 

今日の検査結果
血小板(×10,000/μl):2.0万
白血球(μl):1500
赤血球(×10,000/μl):158
ヘモグロビン(g/dl):5.4←どんどんヤバイ気が。。。

AST(IU):45 ALT(IU):59
r-GPT(IU):107

 

病室お引越し3度目 4月13日(水)

今日は水曜日なので採血もなく、お風呂の日でもない。
一週間の中では暇な曜日。

朝の回診後ロービーでぼーっとテレビを見てると、
看護師長が私に近づいてきた。

「なんだろ?悪いことしてないよね?」
とっさに思うって・・・どうなんだろ私。

「あのね、今日からあのお部屋も使うことになったから、
チエさんお引越しする?」

私が普段から看護師さん達に、
「あの富士山見える病室に戻りたいな~」
と言ってたのが師長の耳にも入ってたらしい。

でも師長直々に言われると恐縮してしまう。
お引越しも3回目。
手慣れたものです。

と言っても私はそのままロービーでテレビ見て待ってるだけですが。
お引越しは、今まで使ってたベッド、クローゼット、
TV&冷蔵庫つき収納棚などをそのまま移動。

全てキャスターつきなので、
看護助手さん達2人が手慣れた様子で移動し5分もかからず終了。
お世話さまでした。

教育係Kさんが来るのが見えたので、
「富士山の部屋に戻っていいって~」と報告すると、
「戻るならお家に戻らなきゃダメだよ~」
と真面目に言うKさんの優しさが分かるから好き。

久々に戻った病室。
C型肝炎の治療のため最初にこの部屋に来た時は
2週間ほどで退院できると思っていた。
それが1ヶ月と10日が経つ。

その間、東日本大震災が起きたり、病院閉鎖になったり、
今だに続く余震に福島の原発問題など、色々なことがありすぎた。

思いもしなかった身体の変調や副作用。
実際にはもっと長い時間が経ってしまった気がする。
出口が見えない不安の日々の中、
何かを信じたい気持ちがあったのかもしれない…。

遠くに見える富士山を眺めながら、
そう思っていた。

 

眼科受診 4月14日(木)

身体の痛みは相変わらず。
頭痛も前より頻繁にある。
目の奥がわしづかみにされる痛みが辛い。

S先生から、
「違うとおもいますが」という前提のあと、
「インターフェロンの副作用に眼底出血というのもあるし、
今後のためにも一度眼科受診してみますか?」

私は何でもいいから原因が分かり痛みをどうにかしたかったので、
「はい!」と即答。

眼圧検査や視力検査などをし、
瞳孔をひらく点眼薬をして診察室へ。
診察の結果、異常なし。

嬉しいと同時に、
「じゃあこの痛みの原因は?何で?」と思う。

眼科の先生からも、
「痛みが酷ければ鎮痛剤飲むといいですよ」と言われた。

「S先生が胃をあらすと脅します」と私がいうと、
先生は笑いながら、
「じゃあ負担の少ない薬を出してもらうようにお願いしておきましょうね」
と言ってくれる。

他の先生は本当に優しいな~。

夕方の回診にきたS先生が開口一番、
「痛みどめ私は反対してませんよ!」眼科の先生から聞いたんだ。

「だって胃があれるとか、吐血するって言うから」
と小声で反論する。

すると、
「痛み止めは飲み続けると胃をあらします。
炎症が酷くなれば胃潰瘍になり吐血する場合もあります」
ここで一呼吸。

「だから胃薬を一緒に処方するし、負担の少ない薬から始めて効けばいいわけだし」
とS先生は少し興奮気味。

「なら最初からそう言ってくれればいいのに」
と言葉にはしなかったが思った。

明日、薬剤師さんからもう一度ゆっくり説明を聞いて
決めなさいということになる。

 

薬剤師さんとの再会&インターフェロン4回目投与 4月15日(金)

採血室からの帰り、エレベーターに乗り込む。
最近では痛みのために動くのが億劫になってて
ウォーキングもずっと休んだまま。
痛みと運動不足の悪循環。

4階までの階段は…2階で息切れ。
ずっと再生不良性貧血の私だけど、
今まで貧血の症状である息切れや動悸の自覚症状はあまりなかった。

なのでこの時、
「貧血の症状ってこんななんだろうな?」と妙に実感する。

午後になり薬剤師さんがやってきた。
顔を見てビックリ。!!

17年前にお世話になった薬剤師のTさん。
まさか?とは思ったが、私のことを覚えててくれて感激。
かなりしつこく副作用のこと聞いてたからな私。

Tさんの言うことなら信用できる。
知らなかったのだけど、鎮痛剤って痛くなってからでなく、
痛む前に飲むらしい。

効くまでは個人差があるが30分〜1時間。
通常は朝昼夕食後1回3錠ということは、効いてる時間は4〜5時間。

しっかり説明を聞き、ロキソニンという鎮痛剤を胃薬と一緒に、
まずは一日一錠飲んでみることになる。
飲む時間は食後ならどのタイミングでも良いとのこと。

夜はマイスリーがあるので、
明日、朝食後に飲んでみようと思う。

16時30分すぎ予定通り。
看護師さんがインターフェロン注射の準備をしやってくる。
私のインターフェロンのペースはこれで落ち着きそう。
ということは退院も近いかな?

微熱に備えてアイスノンを用意し準備万端。
インターフェロン後の対応も慣れてきた。
微熱以外の副作用もなし。

 

今日の検査結果
血小板(×10,000/μl):2.0万
白血球(μl):2000
赤血球(×10,000/μl):136
ヘモグロビン(g/dl):4.6←けっこうヤバイ気が。。。

AST(IU):30 ALT(IU):41
r-GPT(IU):92

 

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