16章|C型肝炎治療の副作用

C型肝炎治療入院 2011.3.3(木)

今日から入院。彼の出勤を見届け、母に付き添われ病院へ。
今回入院するのは4階西病棟。
17年前に貧血で入院した4階東病棟の反対側。
造りは一緒なので変な懐かしさを感じる。

看護師さんに案内された病室は4階一番奥の6人部屋。
大きな窓からは富士山が見える。空いてるベッドは5。

看護師さんに、「すきな場所どうぞ」と言われ、迷わず窓際を希望した。
富士山を見ながら、「なんか幸先いいかも」と思う。

 

病状説明・入院診療計画書

病名:C型慢性肝炎

病状:肝機能障害(AST,ALT;トランスアミナーゼが2桁後半で推移している)

今後起こり得る事:放置すると慢性肝炎から肝硬変へ進行して
肝細胞癌ができやすくなる

治療:ペグインターフェロン(ペグイントロン皮下注用0.3ml 週一回)
+リバビリン(商品名 レベトール内服600mg 毎日):48週~72週

検査:入院中は週2回(火・金)採血をして血液の状態をチェック

推定される入院期間:2~3週間程度

※再生不良性貧血で既に治療適応範囲ではありませんが、
本人の強い希望により導入の試行を行います。
治療および危険性の説明は十分に行っています。

以上の書類にサインし、C型肝炎の入院治療がスタートする。

 

ペグインターフェロン初投与と副作用 2011.3.4(金)

あまり眠れずに朝を迎えウトウトしかけたところに、
看護師さんの「採血です」の声。

幼い頃から採血はし慣れているが、血管が細く取りにくい。
案の定、私の腕を見つめ固まる看護師さん。
2度目で採れたのは良いほうかな。

お昼前に母が来てくれる。
「治療始まるから栄養つけないとね」
私の好物で一杯のお弁当をひろげる母の気持ちが嬉しかった。

16時過ぎ、S先生の回診。
「血液検査の結果は相変わらずです。
予定通り今日1回目の投与を行います」
とだけ言い立ち去る。

相変わらずの口調に
「もう少し優しくしてよ」と思う。
初めての注射で不安なんだから。

16時30分、看護師さんが注射の用意をしてやって来た。
「いよいよだ」期待と不安の入り混じった気持ち。

「肩、お腹、お尻どこがいい?」
と看護師さんに聞かれ
迷い無く、「肩!」と答える。

目の前にはペグインターフェロン製剤
ペグイントロン皮下注用100μg/0.5mL用」のパッケージ。
体重その他の条件から私の場合は0.3ml液量60μgを投与。
思ったより少ない量。

「ちょっとチクッとします」
看護師さんの声とともに初のインターフェロン注射。
たしかに痛い・・・。
でも痛さより、冷たい感じ?
薬が体内に入ってくる不思議な感覚の方が大きかった。

10秒もしないうちに
「はいお終い。もまないでね」と注射針が抜かれ絆創膏を貼ってもらう。

なんか普通の注射すぎて
「これが本当に肝炎ウィルスを退治するの?副作用があるの?」
信半疑になるくらいインターフェロン注射初回はあっという間に終わった。

初めての注射に付き添ってくれた母を見送り、夕飯もしっかり食べた。
食後リバビリン2カプセル(400mg)を服用開始。

21時消灯のアナウンス。
ペグインターフェロン注射から4時間30分。
特に体調の変化なし。
彼に、「注射ぶじ済んだよ。体調も大丈夫だよ」
と電話した。

それから2時間後、嫌な寒気で目が覚める。
しばらくすると吐き気が襲ってきた。
慌ててトイレに行き嘔吐。
ナースステーションに行くと
「無理しないでナースコールしなきゃダメよ」と怒られる。

体温を計ると39超え。
解熱剤(座薬)を使うことに。
湯たんぽと毛布で温めてもらったが
しばらく寒気が止まらず吐き気の波が襲う。
看護師さんが夜中に何度か来て
嘔吐した容器をや湯たんぽを取替えてくれた。

「これがインターフェロンの副作用なんだ」
気持ち悪さと眠気の中で
治療を開始した実感がわいてきた。

今日の検査結果
血小板:3.2万 白血球:16 赤血球:317 ヘモグロビン:10.9
AST:51 ALT:69 r-GPT:145 肝炎ウィルス:6.6

 

インターフェロン投与翌日 2011.3.5(土)

朝起きて体温を計ったら36度。
吐き気もなくなっていた。
「朝食は無理して食べなくてもいいよ」と看護師さんに言われたが、
やたらとお腹が空いていて完食。
食後リバビリン1カプセル(400mg)を服用。

今日は土曜日なので回診はない。
副作用の後すぐにS先生に会わずにすんだのは幸いだった。

それに今日は休みで彼が来てくれた。
「もうね~大変だったの。死ぬかと思うくらい気持ち悪かったんだよ~」
と昨夜の悲劇を報告した。

報告しながらお菓子を食べ続ける私を見て彼はニコニコしながら
「大変だったね。その分きっと薬が効くよ!」と言ってくれた。

 

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