C型肝炎|私の症例

Q1. C型肝炎であると分かった前後で、どのような症状がありましたか?
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A1. C型肝炎が分かる前も、分かった時点でも全くと言っていいほど特に症状はありませんでした。

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私の場合、C型肝炎ウイルスに感染し病気が発覚するまで、およそ20年以上かかりました。
それから更に20年以上が経ち、2013年までの約40年以上、症状という症状は特にありません。

肝臓は「沈黙の臓器」と言われる意味を痛感します。

 

 

Q2. 何がきっかけでC型肝炎が分かったのですか?どんな検査をしましたか?

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A2. 1995年、きっかけは子宮内膜症の手術前に行なわれた
肝炎ウイルスの抗体を調べる血液検査で分かりました。

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実はC型肝炎が発覚する5年程前、会社での健康診断で肝機能数値が標準より少し高く、
再検査をしたところ肝炎との診断。
通院して漢方薬の服用をはじめたところ、徐々に数値は下がりました。
投薬を開始して6ヶ月ほどで数値も標準内に落ち着き、
投薬を中止し1年ほど経過観察を行なった結果、数値が標準内をキープできていたので、
通院は中断になりました。

当時、A型やB型肝炎は認識されていたので、血液検査でA型やB型肝炎ウイルスの抗体を調べ、
どちらにも感染していなかったため、慢性肝炎という診断しかされませんでした。
C型肝炎ウィルスが認知されていなかったことで病気の発覚が遅れたのが悔しいです。

 

 

Q3. C型肝炎の原因として考えられることは?

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A3. 輸血です。

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私は生後2ヶ月で再生不良性貧血が発覚したので、
0歳~5歳くらいまで治療として輸血をしました。
ほとんどが母からの輸血でしたが、吐血や下血などの再生不良性貧血の症状が酷い場合は
多くの血液が必要になり、病院で血液を用意して輸血を行ないました。

母はC型肝炎には感染していません。
血液センターなどで用意された血液を介しての感染だと思われます。

 

 

Q4. 最初に、どのような治療を受けましたか?

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A4. C型肝炎の発覚から15年ほど(1995年~2010年)は経過観察のみで、
治療は行なっていませんでした。

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C型肝炎の発覚当時の肝機能数値はAST46、ALT50でした。
肝機能の数値がそれほど高くなかったこと、C型肝炎の治療方法が確立してなかったこと、
そして再生不良性貧血の再発により、貧血の治療が優先されたので、まずは経過観察となりました。

普段は1ヶ月~2ヶ月毎の血液内科の受診の際、肝機能数値の経過も併せて診てもらい、
半年ごとに腹部エコーをし、定期的(1年~2年)に同病院内の消化器内科の先生を受診しました。 
経過観察15年ほどの肝機能数値はAST(GOT)、ALT(GPT)共に、ずっと50前後くらいでした。
肝硬変や肝癌に移行してしまう前に進行を止めたかったのですが、
再生不良性貧血でも有効なC型肝炎の治療方法や症例がなく、積極的治療は行なわれませんでした。

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少しでも肝機能数値を安定させるため食事や漢方薬、サプリメントでの改善を試みました。
もちろんそれで劇的に良くなるということではありません。
でも感染から40年、発覚してから約20年近く、治療という治療を出来ずにいた私の肝機能数値が
正常値よりやや高いくらいの数値で継続できていたことは事実です。

 

 

Q5. その後の治療については?

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A5. 2011年3月、再生不良性貧血患者では症例が殆どなかった、
C型肝炎治療であるペグインターフェロンとリパビリンの併用療法を受けました。

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それまで再生不良性貧血のためC型肝炎の治療に制約があったので、
治療という治療はせずにいました。

生まれてから、ほとんどを病気と共に生きてきた私は、「病気と上手に共存していこう」
どこかで、そう思うようにしていたのかもしれません。
それでも、「治療しないでいれば確実に進行し、恐い病気になってしまうかもしれない」
という恐怖は、どこかにありました。

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2003年12月にペグインターフェロンが認可され、週に1回の投与で高い治療効果が期待されるようになり、
それから徐々にテレビや雑誌などで、治療しC型肝炎ウィルス排除に成功した方々の話を
見聞きするようになりました。
また政府からのC型肝炎検査及び治療についての広報も盛んになりました。
それでも当初の私は、自分の事として考える事はありませんでした。

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そんな私がインターフェロン治療を試みようとしたキッカケは、母から手渡された冊子でした。
母は何度も何度も読み返したのでしょう、手渡された冊子はクタクタになってました。
その冊子は、「C型慢性肝炎Q&A患者さんの疑問に答える」
という、肝臓の専門医である2人の先生による話をまとめたものでした。
お2人の先生はいずれも肝臓の名医であるので、お話されていることは非常に分かりやすく、
改めてC型肝炎という病気を正しく理解する事ができました。

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私の場合、病気の事を調べると自分にとって知りたくなかったような事実も多くあり、
つい考えないようにしていたのもあります。
インターフェロン治療についても、再生不良性貧血が壁になるんだろうなと、どこかで考え、
期待すれば、それ以上に叶わない時の辛さが身についていたので、
最初から期待していなかったのかもしれません。
でも、「私以上に母は苦しんでいる」そう思った時、
インターフェロン治療を受けようという思いが強まりました。

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私のC型肝炎ウィルス遺伝子は1b型でインターフェロンは効きにくいタイプです。

なので通常48週間の投与期間が必要です。

しかし1回目の投与後すぐに、3万あった血小板が1万にまで急激に下がったため、
週1回での投与が不可能になり、隔週での投与に切り替えられました。

それでも2週間あけることで2万まで戻った血小板も、リパビリンの服用や
インターフェロンを投与するとすぐ1万まで下がり、赤血球や白血球の減少も止まらず、
中でもヘモグロビン数値の減少は顕著で、ヘモグロビン3.5という最悪の状態になりました。

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期間にして4ヶ月、2週間に一回の注射回数にして10回(必要量の半分の量で)で、
私のインターフェロン治療は副作用の重症化により、
中断せざるを得ない状況でした。

ウィルス量も減ることはなく、インターフェロン投与後に少し落ちたAST(GOT)、ALT(GPT)値も
中断すると反動でそれまでより高い数値になってしまいました。

 

 

Q6. その後の肝機能の状態はどうですか?

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A6. 現在の肝機能数値はAST(GOT)20~25、ALT(GPT)20~25で、
基準値上限の約半分の値で落ち着いています。

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2011年7月にインターフェロン治療を中断後、反動で上がった肝機能数値を下げるために行なったのが、
ウルソ(ウルソデオキシコール酸)の内服です。7月中旬頃から内服を始めました。

2011年7月の時点ではAST(GOT)85、ALT(GPT)84、8月AST80、ALT100、
9月AST68、ALT101、そして10月ではAST87、ALT125と、
なかなか数値が下がりませんでした。

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今までと違い、最後の砦であるインターフェロン治療を続ける事すら出来ない結果となり、
このままでは、いつか進行し肝硬変や肝癌に移行してしまうという、もの凄い恐怖に襲われました。
入院治療中に3月11日の地震を経験したことも、生死に対しての考え方を変えたかもしれません。
生きたい。頑張って生きたい。そう強く思っていました。

そこで、肝炎の対症療法の一つとして取り入れられている垂盆草(すいぼんそう)の服用を考えました。
薬剤師さんに、C型肝炎の治療に悪い影響を及ぼす成分は入ってないか?などを確認したところ、
インターフェロン治療との併用も可能であることが分かりました。
担当主治医の了承を得て(先生が推奨したわけではありません、
あくまで自己責任で服用することへの了承です)、
ウルソに加えて垂盆草(すいぼんそう)の服用を始めました。

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垂盆草(すいぼんそう)の服用を始めて2ヶ月ほど経った時の血液検査の結果、
AST(GOT)33、ALT(GPT)29、肝炎と分かって初めて基準値内の数値まで下がってました。
それから現在に至るまで、ウルソと垂盆草(すいぼんそう)による対症療法(感庇護療法)で、
肝機能数値はずっと基準値上限の半分の数値で落ち着いています。

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サプリメントで肝炎ウィルスが消滅したり、病気の完治が可能であるとは思っていません。
それでも少しでも体調を維持したい、自分に合う新薬が出来るまで進行を遅らせたい。
病気があっても、毎日を元気で過ごしたい!という気持ちから私は実行しています。

 

C型肝炎の発覚時からの詳しい状況や医師との関係、治療・入院生活については、
闘病記でお話していきます。

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現在、インターフェロン治療を行った時の入院記録をまとめている段階ですので、
着実に更新していきたいと思います。
私の病活(闘病・病気生活)が少しでも、ご参考になれば嬉しいです。