C型肝炎治療新薬のダクルインザ錠とスンベプラカプセルの
2剤経口併用療法も143日目を迎えました。
C型肝炎は完治するのかな?
5月16日(土)
昨日にひきつづき
C型肝炎は治るのか?のお話です。
C型肝炎検査でのウイルス量の数値
現在の新検査法では1.2~7.8 LogIU/mのウイルス量lが測定範囲となり、
大量のウィルス量からごくわずかな量のウィルス量までを一度に測定できるようになりました。
(現在のウイルス量単位は対数表示(Log)です。
従来法の単位に換算すると、測定範囲は0.015~69,000 KIU/mlとなります)
ごくわずかな量のウィルスが測定できるようになったことで、
陽性・陰性の判定基準も変わりました。
それまでの検査法では、測定下限値である0.5 KIU/ml未満を陰性としていました。
これに対し、新検査法では1.2 LogIU/ml(0.5 KIU/ml)未満が一応の基準となります。
- 1.2 LogIU/ml未満(検出)→「陽性」
- 1.2 LogIU/ml未満(検出せず)→「陰性」
C型肝炎は完治するの?
C型肝炎の場合、完治とは体内のあらゆる場所から
ウイルスが検出されない、排除された状態をいいます。
通常、治療では一時的にウィルスが確認できなくなりますが、
ごく微量のウィルスが体内に残ることで、数ヶ月後に増殖を始めることもあります。
そのため一般には、治療を終えて6ヶ月間しても血中のC型肝炎ウイルス「検出せず」が続いた場合、これを「著効(※1)」と言います。
(※1)著効(ちょこう)とは薬などが著しく有効であること
完治とは体内のあらゆる場所からウイルスが排除された状態をいい
完全に治ることを意味しますので、再燃などが起きない状態のことです。
C型肝炎はウイルスが排除され自覚症状がなくなっても
傷んだ(線維化した)肝臓が回復するには何年もかかります。
(弱った肝臓も健康な肝臓にもどれるかも?の話です)
また既に癌の芽のようなものが出来ていて、肝癌を発症することもあります。
そして中には、ごくごくまれに再燃する方もいらっしゃいます。
そういう意味から考えますと、C型肝炎治療では完治ではなく
薬のいちじるしい効果が得られたにとどめ、著効と表現されているのだと思われます。
ダクルインザとスンベプラカプセル治療後の再発や発ガン率
なかには2-4%の人が再燃しています。
その多くは4年以内に再燃していますのでSVR24(※2)後も
5年は年一回程度は再燃がないかチェックした方がいいかと思います。
(※2)SVR24とは投与終了から24週後のウイルス学的著効、すなわち機能的治癒ということです。
また、10年で数%程度の人に肝細胞癌が発症する確率がありますので、
少なくとも10年後までは年2回ほどは腹部エコーなどの検査はした方がいいかと思われます。
ただ、C型肝炎ウイルスの排除ができれば、
c型慢性肝炎やc型代償性肝硬変の治療の目標である
「将来の非代償性肝硬変への進行あるいは肝がんの発生予防」になります。
C型肝炎は
一日でも早い発見
一日でも早い治療が重要だと思います。
治療開始から現在までの血液検査の結果を記録していますので
よろしければ、ご覧ください。
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