前回お話ししたように、
鉄キレート剤療法はC型肝炎や再生不良性貧血の改善
につながることが期待される治療法です。
ただし、まだ症例は少なく、治療の決定や副作用などに懸念も残ります。
私自身が実際に鉄キレート剤エクジェイドを服用した時の事が、
どなたかの治療選択の際の判断材料の1つになれば嬉しいです。
まず今回は、投薬開始を決めた時（2011年12月）の
医師との話し合いの様子、治療費と飲み方のお話しです。
私が鉄キレート剤を知ったのは、知り合いの社労士さんからの情報でした。
その頃の私は、C型肝炎のペグインターフェロンとリパビリン併用治療の副作用、
子宮内膜症の治療薬スプレキュア注射の副作用など、
たて続けに起きた投薬の副作用で再生不良性貧血が増悪し、
半年以上にわたり、1～2週に1~2単位の定期的な赤血球輸血が必要でした。
C型肝炎であるため、ただでさえ鉄過剰状態になってる私。
その状況を知った社労士K氏。
彼は血液疾患の患者さんを多く担当し患者会にも精通してるので、
再生不良性貧血についても詳しく、
またお父さまがC型肝炎を患っているということで、
私の病気に関して様々なアドバイスをして頂きました。
実際に鉄キレート剤を服用してC型肝炎がおさまり、
肝機能数値が安定した患者さんや、
再生不良性貧血で輸血依存性になってる患者さんが職場復帰されたなど、
有効な治療方法であることを知りました。
ペグインターフェロン治療の失敗。
ウルソ治療を始めて数ヶ月しても肝機能数値がなかなか下がらない焦り。
「この先どうなってしまうのだろうか
」
という不安から、できる事は何でも試したい心情になっていました。
相当量の輸血を繰り返すことで起こる
鉄過剰症による致命的な症状の出現を防ぐために、
「鉄キレート療法が有効ではないか
」と思いはじめるように。
「一度、主治医の先生にご相談されては？」とK氏。
「そうですね」と答えた私の頭では、
K先生は良いとして、S先生がどんな反応示すか？
が悩ましい問題でもありました
12月1日 血液内科受診日。
主治医K先生に、
「鉄キレート剤ってどんな薬ですか？ 」
と質問してみる。
K先生は一通り説明してくれたあと
「急にどうしたの？」穏やかに仰る。
「私もやってみたいと思いまして 」
「そんなにフェリチン高かった？」
と電子カルテを再確認。
「まだそんなに心配する数字ではないけどね」
Fｅ値を見ながらK先生は私を見る。
輸血を始めた4月22日から約7ヵ月後の11月18日の時点でのFe値は334ng/ml。
赤血球輸血総量はちょうど20単位。
鉄過剰症の診断基準の赤血球輸血量20単位以上
および 血清フェリチン値 500ng/mL以上に当てはめると、
確かにまだFe値は基準には達していません。
貧血数値もだいぶ落ちつき、本日の輸血もキャンセル。
でも、またいつ急変し輸血が必要になるか？
Fe値がどのように上昇するかも不明。
再生不良性貧血の再発以来、
15年以上のお付き合いのK先生には強い信頼を持っています。
先生が私の病状を1番良く理解してくれてることも分かっています。
今はまだ必要がないという判断で、
それまで鉄キレート剤療法の話が出なかったことも
頭では分かっているのだけど…。
インターフェロン治療が上手くいかず、焦りと不安が渦巻く日々の中、
予防できる病気は予防したかった。
「輸血がまだ必要かもしれないし、C型肝炎だから鉄がたまりやすいし…
インターフェロン治療も出来なくなって、この先どうなるか不安で… 」
その時の気持ちがストレートに出てしまう。
よほど切羽詰まった顔してたんだろうな私。
「では薬局に問い合わせて、副作用を調べてもらいましょう」
と、院内の薬剤師さんに連絡し指示をするK先生。
2週間後、薬剤師さんからの報告書に目を通すK先生。
「消化器系や皮膚に軽度～中度の副作用があるようですね。
1%未満だけど、重大な副作用の報告も数件あります」
「私にも使用可能ですか 」
「血小板が低いから慎重投与の対象になるけどね」
K先生は一拍おき
「今すぐと考えなくてもいい数値なんだけどね～」と続けた。
「でも少しでも病気の予防や改善になる可能性があるならやってみたいです 」
揺るぎない自分の気持ちを、まっすぐK先生に伝える。
「それでは、まず4週間、通常の半分の量で処方しましょう」
と手続きをはじめてくれる。
本来この薬はとても高価なものです。
1錠500mgおよそ4624円。
1日1錠4週間分の薬代だけでも、およそ12万円(通常の1日2錠だと24万円)
3割負担でも約4万円(通常の1日2錠だと8万円)。
いくら高額療養費制度があるとしても…
その高価格もネックとなり、なかなか治療を開始できる患者さんが
増えていかないのも現状のようです。
私の場合、再生不良性貧血の治療に関しては、
特定疾患の一部自己負担の月額限度額内で治療できるので、
普段の治療費は月額11500円を超えることはありません。
ただ、鉄キレート剤療法に関しては、
「全額自己負担となってもやってみたい」という気持ちをK先生には伝えてました。
今回は特定疾患の医療費助成内での治療となりました。
薬の登録が無事すみ、薬局で薬を処方してもらうのですが、
普段からストックがある薬ではないので
(高価な薬なのでオーダーが入らないと仕入れ？しないようです)
数日後に受け取りに行く事になりました。
まず私に処方されたのは通常処方される半分量の500mg×24錠。
エクジェイド懸濁用錠500ｍｇ直径20㎜×5.6㎜。1シートに10錠。
実際に手にしたエクジェイドは、大きなラムネがシートに並んでる
高級バージョンという感じです。
使用方法
１錠を水100ｍ以上の水で溶かし、朝起きたら、空腹時に飲みます。
服用後30分くらいは食事は出来ません。
はじめて飲む朝は起きた時からワクワクドキドキの変な感じでした
お気に入りのグラスを用意して、水をいれる。
そしてその中にエクジェイドを投入。
シュワシュワ～錠剤が溶け出す。
その様子はバブを浴槽に入れた時の感じで、細かい気泡が出てゆっくり溶けていく。
早く溶けるようにグルグル～スプーンでかき混ぜる。
全て溶けるのに、けっこう時間がかかる。
明日からは、朝起きて歯磨きする前に準備して放置しておけば良いかも？
3～5分くらいで白濁色のエクジェイドジュース？の出来上がり。
これを時間を置かずにグビグピ一気に飲み干します。
？？？マズイ ？？？
無味無臭なので、苦いとかはないのですが、
粉っぽさが舌に残りゴクゴク飲めません。
常温水だったのも関係あるのかしら？
でもこれで少しでも病気が良くなるのなら許容範囲です。
飲み終えたあと、グラス底に薬が沈殿し残るので、
再び水を加えて全て無駄なく飲み切ります。
エクジェイド液を飲みながら、
「どうか効果がありますように」
という思いで胸一杯、お腹もタポタポ一杯です
翌日は冷たいお水で試してみました。
しかし溶けるまで数分かかるので、結局はぬるくなり、喉越しは変わらず…微妙
翌々日は炭酸水で試してみました。
朝起きぬけの空腹時にはちょっとキツかったです。
私的にエクジェイドスカッシュはないです
薬剤師さんから
「どうしても飲みにくい場合は、お子様の場合などは
リンゴジュースやオレンジジュースに溶かして飲みます」
と説明を受けました。
なるほど
いざという時はその方法使わせてもらいましょ
さて、飲みはじめの初期に出やすいと言われている
エクジェイドの主な副作用の吐き気や下痢についてですが、
4週間の間にそれらの副作用がでることはありませんでした。
4週間飲み続け、ちょっと期待しながら採血に挑みました。
フェリチンは減ってるかな
貧血や肝炎数値は
次回はエクジェイド服用の効果と副作用について、
血液検査数値の推移に沿ってお話したいと思います。
今日も読んでいただきありがとうございました
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