C型肝炎になると健康な人に比べて鉄が肝臓にたまりやすい
「鉄過剰」と呼ばれる状態になることがあります。
そのため近年、鉄分の多い食品を控えることで肝機能が改善することが
多数報告されています。
レバーやシジミ、ウコン。
肝臓に良いと思って一生懸命、食べてたという方いらっしゃいませんか?
私はそうでした。
私は幼い頃から再生不良性貧血だったこともあり
(当時は治療という治療もなく )
貧血に良いとされていたレバーやほうれん草、赤身魚などを一生懸命食べてました。
肝機能数値が悪化し、後にC型肝炎が発覚してからは
ウコンや牡蠣肉エキスを積極的に摂取してました。
C型肝炎治療入院中のある日、
同じくインターフェロン治療入院中のC型肝炎の患者さんの会話が
飛び込んできた時はビックリしました
60代のその女性は、
「売店で肝臓の本を買ってきたんだけどね」と、
お見舞いに来てたお友達に見せながら
「私はC型肝炎だから、納豆やほうれん草、シジミにあさり…
えっと後何だっけ…なんかね色々と食べちゃいけないみたいなのよ」
「え そうなの 」思わず声に出そうになった私。
「なのにさ」と少し声を落とし、
「昨日も納豆が出たし、あさりの味噌汁も出るのよ」
「うんうん出てた 」
「だからね、私ちゃんと残したわ」
「私は全部食べちゃったよ 」
さてどうしよう
ネットで調べたり、本を買って読めば分かる事はたくさんあるが、
ある意味それは一般論の情報。
同じ病気でも人それぞれ違ったりもするし、
自分のその時々の状況や状態によっても違ってくる。
特に治療中の今は、医師に確認するのが1番。
私にとっては1番難しいことだけど
夕方の回診の時にS先生に聞いてみる
「あの~いま普通食が出てるんですけど、
私の場合は食べ物に気をつけなくて良いのですか 」
「何かアレルギーありましたっけ?」
「いえいえ、そうではなくて 」
「糖尿病じゃなかったよね?」
「違います」
「貧血のほうで制限されてるの?」
「いいえ特に制限はないです」
「ならバランス良ければいいですよ」
「でも… 」
「この間も言ってらしたけど、
お母さんのお弁当も良いと言ったでしょ?」
(お弁当のお話です)
「はい、そうですね」
次の日、薬剤師さんに聞くことにする
肝臓は鉄を貯蔵する機能もあり、
肝機能が悪くなると肝臓に過剰な鉄が蓄積し、
過剰な鉄は活性酸素を発生させ鉄がさびるように、
体内にたまった鉄分が肝臓の炎症を悪化させるという報告が
近年になりされているようです。
「ということは、やはり鉄分の多い物は食べない方が良いのですよね?」
私のこれまでの血液検査の結果に目を通しながら薬剤師さんは、
「S先生は何て仰ってました?」
「何食べても良いって仰ってました」
「そうですね、チエさんの場合はFe(鉄)数値も高くないし、アルブミンの数値も良いし、
他にも食事制限が必要な検査結果も出てないので、
今の普通食で問題ないと思いますよ」
「でも、実際に肝臓には悪い食品もあるんですよね 」
「悪いというか、弱った肝臓には控えましょうということですね」
「私もC型肝炎ですし、インターフェロンも効かないかもしれないし…弱ってると思いますが」
「食品には鉄分意外の身体に必要な栄養素も沢山あります。
なので今のチエさんの状態だと、制限をせずにバランス良く食べるのが1番だと思います」
「では、お食事は残さないで全部食べて良いのですね 」
「はい、全部食べて下さい」
「甘いものとか差し入れしてもらうのですが、良いですか 」
「適度なら良いと思いますよ。あまり神経質にならなくていいですよ。
病院食は患者さんの体調や症状を考慮してお出ししてますので、
病院食で出てるものは安心して食べて下さい。
退院したら、今食べてるものを参考にバランスよく食べれば大丈夫ですよ」
ここまで、しっかり説明してくれると安心する
夕飯にマグロの照り焼きと納豆が出たけど、ペロリいただきました。
これはあくまでも私の体験であり、同じ病気でも、
患者さんそれぞれの病状や体質などによって異なります。
ほんの一例としてご覧頂きたいと思います
弱っている肝臓は鉄分の摂取には注意が必要というのが本来の意味だと思います。
ただ最近たまに見かける、鉄は肝臓には毒!とか、危険!という表現は、
多くの誤解を与えかねないと思いましたので、今回このお話をしました
同室のC型肝炎の患者さん。
本を見ながら鉄分を含む食品をほとんど残して、
看護師さんには全部食べたと嘘ついてたのが
ある日見つかり、すごく怒られてました
不安があるときは独断せず、ドクターや看護師さん、
薬剤師さんなどに相談するのが良いと思います
今回のお話と関連する事ですが、肝臓内の鉄 含有量を減らすための
瀉しゃけつ血療法と鉄キレート剤のお話しについては、また後ほど
お手数ですが応援していただくと励みます♪
にほんブログ村