肝臓の線維化が進み、肝臓が硬くなると、肝機能が低下します
そのため、本来肝臓で濾過される血液は肝臓に入れないので別の逃げ道を探します。
逃げ道の多くは食道に作られ、
そうして出来たのは食道静脈瘤という血管のコブです。
この食道静脈瘤が破裂する事で吐血という症状が出ます。
吐血の症状が出るくらいですと、かなり肝機能が悪くなってる
ことは想像できると思います。
血液が肝臓に入れず、逃げ道の血管を作り出すのですから。
ただ、肝硬変で吐血というと末期
と考えがちですけど、
先ほどもお話したように、
肝臓は血液に流れてる全ての血液を濾過するわけですから、
肝臓の機能が少しでも低下することで
吐血に繋がる食道静脈瘤が作られる可能性はあります。
これは肝硬変に限らず、C型肝炎などのウイルス慢性肝炎や
アルコール性肝炎でも一緒です。
この話を聞き、
「なんか最近この辺が痛むかも
みぞおち部分を触りながらS先生に言ってみる。
「静脈瘤だと、たとえ1mmでも破裂する可能性あるし、
そうなるとチエさんの場合は吐血どころではないですよ」
「…」
「そう吐血と言えば…」
S先生が話しはじめた。
C型代償性肝硬変の50代後半の男性。
C型肝炎の治療は初めてケースのお話
その前にC型代償性肝硬変とは
肝細胞の破壊があまり進んでいないため、残された肝細胞で何とか必要な働きをしている
肝臓の状態です。
破壊された肝細胞の働きを、ほかの肝細胞が代償していることから、
この病名がつけられました。
今回、ペグインターフェロン、リパピリン、
新薬シメプレピルの3剤療法を受けることになったそうです。
ペグインターフェロン投与1回目で、
治療前10万近くだった血小板が3万に減少。
そして吐血。
本人の強い希望でインターフェロンの2回目を投与。
血小板は2万に下がり、再び吐血。
吐血後に血小板は3万に戻る。
2回のインターフェロン投与時点でのC型肝炎ウイルス量は
6⇒5くらいの減少効果があったようです。
患者さんは更なるインターフェロン継続を望んだのですが、
度重なる吐血によるリスクを考慮し、ドクターストップ。
「続けたかったろうな・・・」
自分にドクターストップがかかった時の事を思い出す
(この時のこと記してます)
「まぁウィルスも減ったから薬の効果はあったと思います。
でも、いくら吐血して血小板が上がったからと言っても、
吐血による他のリスク考えるとね」
「吐血すると血小板が上がるんですか 」
「そこにきますか?」
「すみませんつい・・・ 」
「まぁチエさんの場合、
再生不良性貧血で肝臓にとって良かった事もありますよ」
「え 何ですか 」
「肝機能が低下すると、肝臓での血液濾過の負担を減らすために、
わざと血を抜く場合もあるからね。
あなたの場合その手間が省けるでしょ?」
「なんかそれって、だいぶ
微妙なんだけど 」
「チエさんの場合、
長い間あまり肝炎が進まなかったのは貧血だったからかもね 」
「でも、貧血だから治療が強制終了になった・・・ 」
「まっ物事うまくいかないね 」
S先生と2人深いため息ついたのを、
入ってきた看護師さんが不思議そうに眺めていました
今日はポカポカ陽気でしたね
気持ちが良いので散策したら
坂本さまの「よっていきや!」に導かれて
美味しいもの見つけた
ココロもカラダもビタミンでリフレッシュ
~今日感じた日常の小さな幸せ~
byチエ
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