24章|C型肝炎治療を襲う地震の余波

病院からお水が消えた 3月24日(木)

C型肝炎の治療入院から3週間。
東日本大震災から2週間。

私の体調も余震も不安定。
最近ではテレビを見なくなっていた。

これからC型肝炎の治療がどうなるのか?
いつ退院できるのか?
考えると、悪いことがグルグル。

そんな今の私には、
地震や津波の被害映像は衝撃が大きかった。

病院は計画停電の対象外。
毎食ちゃんと食事が用意されるし、
お風呂にも入れる。

なので首都圏では今だに福島の原発事故の影響による
電力不足や交通網の混乱、生活物資不足などの
非常事態が起こってることの実感はなかった。

母も心配かけまいと、
どんなに電車を待ったり、
どんなに遠回りしても、
普段通りにお弁当を持って来てくれる。

「大丈夫?無理して来ないでいいよ」
言葉と裏腹の私の気持ちを知ってか母は、
「家にいても心配だから」と笑顔で言う。

ありがとう・・・。

母を見送った帰りに自販機へ。
「あれ?」水だけ全部売切れ。

仕方なく隣の自販機へ。
やはり水だけが売切れ。

下の階の自販機へ。
病院全部の自販機の水が売切れになってる。

 

水もインターフェロンも 3月25日(金)

次の日も水は品切れ状態。
普段は彼にドラッグストアでペットボトル水を買ってきてもらい
(お得なので)個人冷蔵庫で冷やしておいた。

昨夜彼に、「水がきえた!」とメールする。
「そうなんだよ。コンビニにもないから、ドラッグストアにもあるかどうか心配」
と返信がきた。

そして今日は金曜日。

だが16時になっても、
17時になっても3回目のインターフェロンはなかった。

「また中止か…」

今日の検査結果
血小板(×10,000/μl):1.1万
白血球(μl):1400
赤血球(×10,000/μl):255
ヘモグロビン(g/dl):8.8

AST(IU):49 ALT(IU):70 r-GPT(IU):116

 

水とガソリン家族の思い 3月26日(土)

2回目のインターフェロンの中止。
長引く入院。

悪化し続ける貧血の検査結果。
減らないC型肝炎ウイルス。

彼に無性に会いたかった。

「ガソリン残り少ないからスタンド来てるけど待ってる車が一杯です。
ちょっと時間かかりそうです」

「さっきの店が売り切れで違う店に来ました。
やっぱり凄い混雑。もう少し待っててね」

「3件目にトライ!大丈夫だから待っててね」
彼からの送信メール。

水だけでなくガソリン不足だったのをこの時知る。

ただでさえ計画停電のなか、
通勤や仕事で疲れ、
私のことでも心労がたえないのに…。

「疲れてるでしょうから、今週は家でゆっくりしてて」
と返信できない自分が情けなくなる。

夕方、両手に沢山のペットボトル水を持ち彼が来てくれる。
「お母さんが自転車で走り回って水ゲットしたよ!」

2人ともありがとう。
ごめんね・・・。

 

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