1章|両親の決断そして寛解
「余命」 春
病室から見える桜の木の壺が膨らみ始めた頃・・・
院内学級のある病院への転院ではなく
退院させるという両親の決断が、
私の大きな転機となりました。
「おはよう」から「おやすみ」まで、
家族と共に過ごせる時間。
赤いランドセルを背に迎える入学式。
卒業文集の将来の夢は…
お嫁さんになること。
我が子に残された時間を考え
両親が下した決断の時が、
生きる力と今まではなかった
当たり前の幸せを与えてくれた瞬間の転機。
「父の死と病気の寛解」
15才の誕生日月。
些細な事から父と喧嘩をした次の日、
事故で父が帰らぬ人に。
ごめんなさいを言えずに後悔した私。
「ありがとう」「ごめんなさい」を口癖にさせた瞬間。
高校進学と共に小児科を卒業。
そして寛解。
ずっとずっと傍で私の病気を見守ってくれてたお父さん。
「チエの悪いとこ、お父さんが全部持っていくから大丈夫だ!」
父の遺影が優しく私に微笑む。
父が守ってくれることを更に強く感じた瞬間。
「お父さんありがとう」