26章|C型肝炎治療で不眠症勃発

病室お引越し 3月30日(水)

地震以降は入院受け入れは制限されていた。

でも心配されていた耐震性も一応大丈夫みたい?
じょじょに患者さんが戻ってきたり、
受け入れも始まったりで、
病棟半分が再開される様子。

朝の回診もすみホッとし外を眺めていると。
私の教育係りK看護師が病室に入ってきた。

「チエさん引っ越すよ!」
と手際よく引越し準備を始める。

震災後に病棟が閉鎖され、
一時退院が出来ない患者さんだけが
残っていた。
私もその中の一人。
今の病室は高齢で動けないおばあちゃん達3人と私との4人。

みんなオムツだったり、
夜中に大声を出す人もいたりで、
昼夜問わず看護師さんの出入りも頻繁。

C型肝炎のインターフェロン治療が思うように進まなかったり、
震災やその後の余震、
不安やショック、ストレス・・・
いろいろな事が重なり神経も過分になっていたのだろう。

眠れない夜が何日も続いていた。

みんな不安で辛いのは一緒。
体調が悪ければトイレに一人で行けないのも一緒。
みんな思うようにいかないのも一緒。

だから一人わがままは言えない。
それに、お喋りはできなかったけど、
中には挨拶するとニコッと笑ってくれるおばあちゃんもいて和んでた。

でも、そんな私を人一倍心配してくれてた
K看護師の気持ちは有難い。

以前いた富士山が見える病室は、
まだ再開されない。

今回のお引越し先の病室は6人部屋。
消化器内科の患者さんが2人、
耳鼻咽喉科の患者さんが1人。
同年代の方ばかりだ。

 

睡眠導入剤マイスリー  3月31日(木)

今まで腰痛に悩んだことはあったが、肩こりはなかった。
でも先日から身体の、特に肩から肩甲骨の凝りが酷く、
日に日に痛みは増すばかり。

あれから本を読むのも控えてるのに、
どうして?

余震や一人地震も相変わらず。
環境や色々なストレスも重なり
不眠も続いていた。

回診の時にS先生から、
「今はしっかり寝る方が大事じゃない?」と言われていた。

でも睡眠導入剤を飲まないでいたのは
睡眠薬ってなんとなく怖いイメージがあったから。

普段の私ならこんな時は、
しつこいくらいに先生や薬剤師さんに聞きまくったはずだが…
地震の日から、
みんな何かと大変なのが分かるから・・・悪くって。
変なとこで気が小さい性分の私。
S先生には恐くて何度も聞けないのが本音。

ただ、貧血の副作用も顕著だし。
C型肝炎の治療のことを考えると決断が必要かもしれない。

今日の夕方の回診の時にS先生から、
「色々心配するより、今はしっかり寝て治療に専念した方が良いんじゃないですか?」
と言われ、とうとう決心した。

矢先に、「チエさんの場合は神経だからね」とS先生に言われ、
「それ、自分が原因だってのも少し気づいてよ~」
と心の中で叫んでみる。

消灯時間15分前、
マイスリー10mgが看護婦さんから手渡され
その場で服用。

他の薬の場合は自己管理出来るとされると1週間単位で渡される。
飲んだ後の包装してるもの?を
小さなカップに入れておき、看護師さんが確認し回収。
やっぱり眠剤は違う扱いなんだ?と実感。

マイスリーを飲んで30分くらいすると頭がボヤ~としてくる。
不快感はなく、気分も悪くはない。
なんかフワフワ~とした感覚。

「あ、眠りに入るかも」とウトウトし始め、
いつの間にか眠りに入っていた。

その晩は何週間ぶりかに爆睡。

 

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